ロゴ作成の一般的な流れとデザインのポイント

ロゴデザインは企業や店舗、ブランドなどを象徴するものです。デザインによっては人の目を引き、覚えてもらえるという役割もあります。しかし、デザインに不慣れなうちはなかなか難しいかもしれません。そこで、この記事では私の経験をもとに、ロゴ作成の一般的な流れやデザインする際のポイント、さらに注意しておきたい点などについて解説していきます。

ネットショップのためのロゴ作成方法

ロゴ作成の流れ1、クライアントと打ち合わせ

ロゴ作成でまずはじめに行うのは、クライアントとの打ち合わせです。これは、個人的な経験からいえることですが、クライアントの多くはロゴデザインを発注することに慣れていません。

特に個人店や開業医、中小企業などの場合、方向性はもちろん、自分の希望すら見えていないこともあります。ですから、クライアントと打ち合わせをするときには、まず社名や店名に込められた意味について質問するようにしましょう。

次に、企業理念など軸になる考え方について質問していくと方向性が見えてきます。飲食店の場合は、力を入れているメニューや店舗のコンセプトを知ることも大切です。クライアントが掲げているテーマやイメージカラーなどについても、打ち合わせの中でしっかり聞き取っておくようにしましょう。

イメージが湧きにくい業種なら、クライアントが気に入っている他者のロゴなど参考になるデザインを聞いておくのも一つの方法です。

ロゴ作成の流れ2、希望をもとにラフデザインを起こす

打ち合わせが終わったら、希望をもとにまずラフデザインを起こします。実際にラフデザインを起こす方法は人それぞれに違いますが、個人的な意見をいえば、方眼紙やクロッキー帳などを使って手描きで行う方がいいでしょう。

いきなりフリーハンドで描くことが苦手な人は、方眼紙を使うとバランスよく描けます。筆記具は柔らかめの鉛筆かグラフィックペンを使います。何パターンも描いていくと、次第に納得のいくデザインの原型ができてきます。

気に入ったラフデザインができたら、スキャンしてパソコンに取り込みましょう。スキャナーがない場合はカメラで撮影して取り込む方法もあります。

ロゴ作成の流れ3、イラストレーターなどでデザインを整える

パソコンにラフデザインを取り込んだら、グラフィックソフトを使って形を整えていきます。使用するグラフィックソフトはさまざまなものが出ていますが、Adobeのイラストレーターまたはフォトショップが一般的です。

ただし、フォトショップの場合はアウトラインが作れません。印刷など制作物の多様性を考えると、イラストレーターで作成しておく方が無難といえます。イラストレーターでは、まずロゴのアウトラインを作っていきます。

ラフの段階で歪みが出ている直線や曲線を、イラストレーターで整えながらロゴを仕上げていきましょう。形が整ったら、次に色を入れる作業に入ります。色は業種に合ったものやクライアントのコンセプトに沿ったもので、2〜3パターン作っておくと選びやすくなります。

色は特色でもいいですし、プロセスカラーでもかまいません。ただし、必ずデザインの近くに色玉を添え、特色はカラーチップを添付するのが基本です。

ロゴ作成の流れ4、再び打ち合わせしてすり合わせを行う

ロゴデザイン案が完成したら、クライアントと二度目の打ち合わせを行います。実際に作成したロゴデザインをクライアントに見てもらいましょう。打ち合わせは直接会う方法でもいいですが、時間が十分に取れないときにはメールやチャットなどオンラインでデザインを見てもらうという手段もあります。

クライアントからデザインについての率直な意見をもらい、必要があれば修正を入れます。ロゴは、企業や店舗を世間に印象付けるための大切なものです。そのため、クライアントもデザイナーも納得がいくものができるまで修正と打ち合わせを繰り返し行います。

ただし、中にははじめの構想から2転3転してしまい、迷ってなかなか決められないクライアントもいます。そのようなクライアントの場合は適度なところでまとめるようにすり合わせすることも必要です。

ロゴ作成の流れ5、ブラッシュアップしてデータを作る

ロゴの最終的なデザインがまとまったら、ブラッシュアップをします。そして、クライアントに最終確認を行い、印刷用のデータを作成しましょう。実際にはどこまでを仕事として請け負うかにもよりますが、通常、ロゴを作成する企業や店舗の場合は看板や名刺などを作るのが一般的です。

ですから、印刷物に使用できるデジタルデータまで作成しておくのがデザイナーの仕事といえます。ロゴのデータは、最低でもカラーデータとスミ一色のデータの2通りを作ります。特色を使う際は、どの部分にどの色を乗せるかがわかるようにしておきましょう。

データを作る際の注意点は、トンボにも印刷で使用する色を反映させておくことです。また、中には色設定をRGBにしてしまう人もいますが、印刷物はCMYK設定でなければいけません。RGBはWebでの設定で、そのままでは正しい色が再現できなくなります。

ロゴデザインをするうえでのポイントと注意点

ロゴデザインをするうえで押さえておきたいポイントは、見ただけでどのような業種なのかイメージできることです。全体の形状だけでなく、色も重要な要素といえます。例えば、病院や建設会社のように安全性と信頼が問われるような業種の場合、グリーンやブルーなどを用いるのが一般的です。

介護施設や女性向けのクリニックなどは淡いピンクやオレンジを使うのもいいでしょう。そして、もう一つ欠かすことができないポイントは、店名や社名がきちんと読めることです。インパクトがあることも大切ですが、視認性の良いロゴは多くの人の目にとまりやすく、覚えてもらうことができます。

一方、ロゴをデザインする際は、他の企業や店舗と酷似しないよう注意しなければなりません。他社に似ているロゴがあれば著作権法に抵触する恐れも出てきますし、訴訟問題に発展するケースもあります。ロゴ作成の際はまず同名の企業やブランドがないか、そのうえで酷似したデザインがすでに出ていないか確認しましょう。

知らないだけで商標登録されているデザインがあるかもしれません。せっかく良いロゴができたとしても、著作権法違反の恐れがあるとクライアントに迷惑をかけることになるため、注意が必要です。

ロゴ作成する上で大切な5つのこと!作成する前にしっかり確認しよう

ロゴ作成はイメージを重視して丁寧にデザインしよう

ロゴは、企業や店舗を覚えてもらうための重要なものです。デザインをする際はまずどのようなコンセプトなのか、クライアントからしっかり聞き取るようにしましょう。そのうえでイメージを膨らませ、納得のいくまで丁寧にデザインをしていくことが大切です。

ただし、他社と酷似したデザインは著作権法違反になる恐れもあるため、似たようなデザインがないか確認することも重要です。